ようやく「ボストン美術館展」に行ってきました。
前売りを買い損なってたけど、西鉄天神大牟田線のチケット売り場で割引往復券をゲット♪
ポカポカ陽気のなか、友人と楽しい小旅行ができました。
評判どおり、小品から大迫力の屏風まで堪能。
まだご覧になってない方は是非どうぞ。
百聞は一見に如かずとよくいいますが、写真で観るのと目の前で実物を味わうのはまったく違うと思います。
「あと何回見に行ける?」という歳になってきたのもあるかしらんw
さて、感想はというと。
今回、前評判の高かった屏風はもちろん逸品でしたが、二つの絵巻物にも目を奪われました。
絵巻物といえば国宝の「源氏物語絵巻」が有名ですが、「平治物語絵巻」もなかなかどうして圧巻でした。
「三条殿夜討巻」という一巻が展示されていたのです。
グロいわぁ
と混雑するなか、おじいちゃんおばあちゃんの頭越しについつい見入ってしまいましたよ。
昨年末、NHK大河で平治の乱を観たばかりですから、遠い昔の教科書の内容よりも色濃く当時の政局を思い出され、よくもまぁこんな怨念入り交じるような筆使いで大胆緻密に描き込んだものだと。
反して「吉備大臣入唐絵巻」。
カンニングしとるやんw
吉備真備といえば、遣唐使として必ず歴史の教科書に出る大人物のはずなのですが、これがまた人をおちょくったようなトボケた絵柄で、唐に渡ったあとのてんやわんや物語が綴られてるのでした。
たとえば、試験を受ける際、術を使って天空を飛んで答えを丸暗記して答えたとかハチャメチャな話が展開するのです。決して下品にはならず。
概して、美術品や芸術品として鑑賞する絵巻物は崇高という印象があるのですが、こういう銘品ならずっと眺めても飽きないw
なぜ、こんなユーモラスな絵巻物にしたのか?
後白河法皇は何を思って描かせたのか? 深い思惑があったのか??
また、この展覧会で里帰りとして披露されている国宝級のものが、フェノロサという日本人ではない外国人にまず認められ発掘されたという事実。
つくづく思うのです。
えてして海外のひとのほうが良し悪しが分かるという皮肉な事実は、現代の科学など新技術に関する認識に関しても変わってないのかも。
そうして思えば、地元のよさも地元民には案外分からないものですもんねw
ほかにも達筆な書、金細工の精緻な施し等など、見応えがありました。
やっぱり来てよかったと思うのと同時に、展示品入れ替えの前半を見逃したのが惜しくてなりません。
太宰府天満宮の梅が見頃の時季、海を渡って里帰りした名品に会いに行くのも一興かも。
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