「著名人で“健さん”といえば?」と問われたら、誰と答えますか?
もし、俳優の高倉健さんを挙げたら、あなたはきっとそこそこの年代ですね。
その健さんは、私の母校出身の尊敬する大先輩です。
大先輩が6年ぶりに映画出演した「あなたへ」。
しかも地元北九州の門司で撮影したとあれば、観に行かないわけにはいきません。
封切りを待ちわびていたものの、1ヶ月後にしてようやく行けました。
沁みました。
まだこれから観に行く人がいるかもしれないので、
ネタバレは避けなければなりませんが、ほんの少しだけ。
最初にウルッときたのは、意外にも亡き妻役の田中裕子が歌うシーンでした。
映画が始まって間もなくです。
健さんは誰もが思い描く健さんを通じて役を演じていたと思うのですが、
その健さんが落ちるにふさわしい名唱でした。(下世話ないい方ですみません)
もともと上手いひとでしたが、いつのまにか滋味溢れる女優さんになったのだなぁと。
また、映画封切り前、NHKが二日間に分けてスペシャル番組を放送したので、
多彩な役者陣が脇を固めていたことは多少知っていました。
その期待は裏切ってないと思います。
むしろ、健さんが「もっと役を選べよ」とか、
「もっと大きな役をすればよかったね」とか褒めていたSMAPの草なぎくんも
いい味を出していて、アイドルらしくないアイドルの彼が演じる普通の人に
画力があるように思えてビックリしました。
画力といえば、ビートたけしも怪演でした。重い軽妙さというか。
ロードムービーなので、関わる人々が印象的なのは当たり前かもしれません。
でも、今回の健さんは撮影そのものを楽しんでいたような気がするのは、
ただの思い過ごしでしょうか。(かもね)
淡々と夫婦や家族のあり方を映し出し、
健さんがラストシーンで静かに立ち去ったのは私も大好きな風景。
再び一人の人生を歩み出した先に幸多かれ!と思わずにいられませんでした。
特に大きな事件が起こるとか、大袈裟な仕込みがあるわけではありません。
大切なひとが生きていようがいまいが、
しっかり前を向いて歩みを進めましょうというメッセージ。
残念ながら、私はまだ夫婦の機微を堪能するまでに達していません。
が、大切なひとを想いながら前を向いて生きていきたい「あなたへ」、
この映画をお薦めします。
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ぷーらん (木曜日, 18 10月 2012 19:52)
かばちゃん!
ご無沙汰してます。高校時代同級だったO(現在はT)です。
シンガポールより書いてます。
健さんの映画についてのコラムからここにたどり着きました。
幅広く活躍されているようで、何よりです。
数年に一度しか里帰りはしませんが、北九州の懐かしい匂いがするサイトで嬉しくなってしまい、書き込んでます。東京からシフトしてたのね。色々と大変だったとは思いますが、サイトから伝わってくるのはかばちゃんの昔から持つ、ほっこりしたムードです。
私たちは南船北馬・東奔西走{ほんとこの言葉通りだわっ)の日々で5年前よりシンガポールに落ち着きました。
旦那は外資、私は日系現地法人で、それぞれぼちぼちと働いてます。
NHKの海外放送で高倉健スペシャルは見ることができたのですが、映画の上映はなさそうです。そのうち中華街あたりのビデオ屋さんで入手できるかも。
書き出すととめどがなくなりそうなので、今日はこのへんで。
星加坡より愛をこめて。
kavachan (木曜日, 18 10月 2012 20:55)
ぷーらんさん コメントありがとうございます♪ 同級生!?
アノ人かしらんとあれこれ思いつつ、ニヤけています。
健さんの映画はDVDでも是非どうぞ!
とても私たち親世代の80代とは思えない格好良さでしたよ。
田中裕子の歌声は懐かしい日本的な情緒を思い起こさせると思います。
そんなこんなも語り合い(書き)たいので、このサイトの「お問い合わせ」から是非ご連絡ください。
お待ちしてます♪