生憎の雨・・・でもありませんでした。
しっとり濡れる庭の緑は深く、秋の風情をたっぷり楽しめました。
国の重要文化財である西日本工業倶楽部の邸内は、年に数度しか観ることができません。
今回は、長年切り絵を習っている友人の切り絵同好会「風群」グループ展も催されていました。
その友人たちの切り絵は、私の予想をよい方に裏切りました。
微妙なモノクロの陰影を細かに刻むもの、ほんの少し滲んだ椿の花など、
ついつい魅入ってしまいました。
私は水彩画を少し描いていましたので、切り絵の技法がとても気になります。
きっと想像以上に繊細な根気が必要なのでしょうね。
邸内では池坊のグループ展と妖しいドール展も催されていました。
ここでも軽く裏切られた感じです。
和花洋花を巧みに操った豪華なバリエーションが邸内の隅々を彩って、見事。
でも、屋敷はそれぞれの個性を包み込んでビクともしません。
昔は気づかなかった建築の細部、インテリアの妙が来るたびに新鮮です。
四季折々に違う表情を見せる、という常套句が陳腐にさえ思えました。
ラッキーだったのは、クラリネットとピアノによる30分のミニクラシックコンサート。
この邸内の一般公開に合わせて、一日に数回催されていました。
軽快な「クラリネットをこわしちゃった」から、ベニー・グッドマンの「Sing Sing Sing」まで。
吉田尚子さんと永野栄子さんの親しみやすいおしゃべりと温かな演奏にほっこりしました。
歴史的な邸内で聴く音は、とても優雅な気持ちをプレゼントしてくれましたよ♪
逆に少し残念だったのは、来館者のマナー。
庭園も含めていたるところに美意識を感じられるお屋敷は、
トイレにもその息遣いがあります。
そのトイレを使用中なのに、順番待ちの人のなかをわざわざ押し入って見て行くというのはどうしたものでしょうか。
びっくりしたのは、本降りの雨にも関わらず予想外に多かった人出。
2階への入場制限や、渋滞かと思った車の列が実は駐車場待ちでした。
こんなにも多くの人が列をなして見に来るのだし、
見せて減るものでもなし、一般公開の日程はもっと増やしていいのではないかと思います。
どなたが制限されているのでしょうね。
後世に遺したいものは、特に広く知っていただくことが必要だと思いますが。
それにしても、カメラの腕が悪くて申し訳ありませんm(_ _)m
今後も精進します。
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