NGOロシナンテスの代表 川原尚行さんの講演会を聴いてきました。
川原さんは、6年前からスーダンで医療活動等を行っていることで知られています。
その彼が、たまたま帰国していた今年3月、東京で東日本大震災に遭遇し、翌日には東京の病院から救急車を借りて被災地に駆けつけ、そのまま救援活動を行いました。
その後も、スーダンと東北(宮城県名取市閖上)の2カ所、世界を股にかけ救援活動をしています。
なにが、彼をそこまで駆り立てるのでしょうか?
ある日、スーダンで聞かれた彼は胸を張って応えたといいます。
「日本男児だから」
聴衆はコケていました。
彼自身にも本当のところは分からないとのこと。
そんな彼が医療活動や支援活動を行うときに守っているのは、
どんなことも「自己完結」すること。
この大震災でも、ボランティアのマナー違反が取り沙汰されることがあったので、
この言葉は重いですね。
さらに、彼は東北で医療活動を行ううちにスーダンを思い出したそうです。
そうして気づいたことは、医療の基本は「手当て」だということ。
肩に手をかけ、不安がっている患者の話を聴き、声をかける。
ただ彼が声をかける、顔を出すだけで、避難所の人たちは安心したという話は
脚色ではないと思いました。
それほど、被災者が心の平穏を求めている、尋常ならざる状況も紹介されました。
また、彼が外務省時代に培った政治力は、
スーダンだけではなくここ日本でも遺憾なく発揮されているようです。
東北支援においては、東京の建設会社に掛け合い、瓦礫の山を整地して桜を植え、被災者たちと20年後の花見を誓ってきたそうです。
南北に分断される直前のスーダンの子供たちを東北へ招待して
日本の子供たちとの交流「天の川プロジェクト」を果たし、
子供たちに生きる希望を伝え続けたいと語る姿が印象的でした。
自分の決意を遂行するために、気力・体力・知力・政治力、あらゆる力を駆使する。
気骨ある人ですね。
最後は彼を支え続ける地元北九州は小倉高校時代からのラグビー仲間や
家族の微笑ましい話を披露し、この三連休後にはスーダンへ飛ぶと締めくくりました。
私はボランティアスタッフとして東北支援へ行きたいけれども行けない忸怩たる思いを
抱えているので、彼の行動力に心から敬意を表します。
彼のご家族、特に奥様にはさらなる敬意を。
奥様の協力なしに彼の活動はありえないようでしたから。
はたして、私には他人様に語れるほどの信条があるかといえば・・・。
親子三代にわたる同じ誕生日、明るい笑顔で講演した彼を今後も応援し続けたいと
思っています。
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